エンジンマウント技術計算ツール
取り組み内容
【課題】
従来のばねマスモデルでは限界があり、もっと車両トータルでの挙動解析が必要だった。
【解決策】
Excelベースでやっていた解析をさらに拡張し、ボディ・タイヤを含む次元拡張モデルを構築。C++でプロトタイプ開発。

※紫色矢印の残像はGIF生成にて発生したものです。実際には発生しません。
得られた効果
アニメーション可視化による直感的な挙動把握、サクサク動くFRF解析、将来的な製品化の基盤技術に。
開発背景・想い
設計現場では、サスペンション担当とマウント担当がそれぞれ個別最適に動く状況が常態化しており、
車両全体としての挙動を十分に考慮できないまま開発が進むケースが少なくありませんでした。
結果として、試作車で初めて問題が顕在化し、後手で対応を迫られるという非効率な流れが繰り返されていました。
当時、自作していたパワープラント+マウントのベンチモデルでは、車両固有の慣性モーメントなどの影響を考慮できず、
実際の車両に対する感度推定には限界があることを強く感じていました。
剛体ボディー仮定であっても、より実車に近い形で性能を見積もる仕組みが必要だと考えたのが、このプロトタイプ開発のきっかけです。
また、ExcelベースではFRF計算の速度に限界があり、加えてExcel自体のバージョンアップによる動作不安定化という問題もありました。
これらを解決すべく、C++での高速・堅牢なプロトタイプ開発に取り組みました。
車両全体モデルへの拡張、インタラクティブなアニメーションによる挙動可視化、FRF計算の高速化。
短期間ながらも、これらの要素を形にできたことは、次の開発ステップに繋がる大きな成果だったと考えています。