ワイヤーロープ長さ計算ツール
CADとExcelを行き来していたロープ長検討──すべてExcelに統合
取り組み内容
【課題】
クレーンのジブ角度ごとのバケット・フック位置や滑車の座標、ロープの接線・弧長、ドラム巻数などを検討するためのループ作業
- CADで作図し、接線や弧を計測
- 複数のExcelや関数電卓で補助計算
- パターンごとに往復作業
繰り返しの作業となり、CADでの作図・計測作業、Excelでの集計・チェック作業が煩雑になっていた。
【解決策】
- 回転行列により角度・滑車位置を自動計算
- 接線・弧長・ドラム巻数もすべて一括で算出
- 複数条件をExcel内で即座に切り替え・比較
- プロット付きで視覚的に確認可能

得られた効果
- 1ケース1~2時間かかっていた作業を1/10に短縮!
- 作業時間大幅短縮(思考の分断ゼロ)
- 属人化を排除し、検討→資料まで一気通貫で可能に
- “作業”ではなく“判断”に集中できる環境へ
開発背景・想い
ロープ長さの計算作業は、一見単純なようで、実際には非常に複雑な要素を多く含んでいました。
ジブの起伏角度に応じた回転を考慮し、ロープ経路の円弧や接線をすべて追う必要がありました。さらに、ドラム巻取り量が足りるかどうかのチェックまで必要で、単なる長さ集計では済まない工程となっていました。
また、バケット使用時には、開閉用のロープ計算も加わる、起伏用ロープは複数パターンの経路があり、仕様はさらに複雑化していました。
こうした例外処理が次々に発生する設計現場作業を、手作業で正確に行うのは設計者の苦労は並々ならぬものでした。
この問題を何とかしたいという想いから、例外パターンにも対応できるロープ長さ計算ツールの開発に取り組みました。
地道な工夫を積み重ね、作業を現場に耐えるレベルまで自動化できたことで、喜ばれる成果となりました。